全国的にも沖縄が二世帯住宅の家が多い印象がありますよね。1階・2階とフロアで分けた二世帯住宅や左右で分かれた二世帯住宅など、さまざまな二世帯住宅の沖縄の家があります。
二世帯住宅を沖縄で建てる場合、まずは親世帯と子世帯でどれくらいの距離感を望むかを決めてから、間取りプランニングを始めることをおすすめします。
介護が必要になると家族の様子を感じながら生活できる同居が安心しますし、親世帯がまだまだ元気であれば、完全に分けた二世帯住宅がお互いに気楽です。
また、同居と完全に分けた二世帯住宅との間にも、それぞれに適切な距離感に合わせたグラデーションがあります。
今回は、沖縄の二世帯住宅の家づくりで役立つ、スペースの分け方やいくつかの間取り例をお伝えしますので、どうぞ参考にしてください。
【沖縄の家づくり】
二世帯住宅・二世帯同居の間取りアイデア
二世帯住宅の分け方
沖縄の二世帯住宅の家づくりで、最初のステップながら後々まで重要なポイントになるのが、それぞれの世帯の居住スペースの分け方です。
まず、親世帯・子世帯の距離感(今後希望する距離感も含めて)に合わせて、「どこまでを共有にするか」を検討してください。
【 沖縄の家づくり☆距離感で決める分け方 】
(1) 同居型 → ほぼ家族として同居する方法です。それぞれ部屋を設けて、水回りからキッチン、玄関まで共有します。
・メリット … 敷地の狭い沖縄の家でも建てやすい
・デメリット … お互いの世帯でプライバシーが守られにくい
(2) 一部共有型 → 水回りや玄関など、一部の共有スペースを設けるものの、リビング・ダイニングなどはそれぞれの世帯で分かれた沖縄の二世帯住宅の家です。
・メリット … 水回りなどコストが掛かる部分を共有するため、建築コストを抑えることができる。
・デメリット … キッチンやお風呂場などの水回りを共有するパターンが多く、特に家事を請け負う妻(又は夫)に、日常でストレスが掛かりやすい。
(3) 完全分離型 → 玄関からキッチン・風呂場などの水回りまで完全に分離した沖縄の二世帯住宅の家です。最近ではこの距離感が最も人気が高くなっています。
・メリット … 完全に居住スペースが分かれるため、プライバシーが確保される。
・デメリット … 付き合い方によっては「お隣さん」のような距離感になるため、親世帯で事故があるなど、有事に気付きにくい。
現代の沖縄の家では、完全同居型を選ぶ家庭の多くで、親世帯が介護を必要としているケースとなり、移動ベッドなどの介護用品の出し入れや、車いすでの出入りがしやすいような、平屋バリアフリー住宅とセットになるプランニングが増えています。
完全分離型の沖縄二世帯住宅の家
以上が大まかな沖縄の二世帯住宅の家ですが、特に最後の完全分離型が新築に増えていますよね。
この完全分離型でも、上下階に分かれた上下分離型と左右に分かれた連棟分離型があり、ひと昔前までは上下分離型がメインでしたが、最近では連棟分離型が人気です。
【 沖縄の家づくり☆完全分離型の分け方 】
(1) 上下分離型 → 1階と2階でそれぞれのフロアを1世帯として設計し、多くは外階段で上下階を繋ぎます。
・ただ、親世帯が子世帯の子育てを協力したり、子世帯が親世帯の料理を担うなど、距離感によっては外階段とともに内階段を設けるケースも多いです。
(2) 左右連棟型 → 沖縄の家を縦に分けた設計です。マンションのお隣さんのような距離感になりますので、多少生活音などで暮らしの様子が分かる上下分離型よりも距離感があります。
・最近では左右連棟型が人気ですが、親世帯と子世帯のスペースの間に中庭を設け、それぞれの開口から中庭を繋ぐ設計も人気です。
上下分離型の場合は、親世帯が高齢になるため足腰が弱いとして、階段を使わずに済む1階フロアを利用し、子世帯が2階フロアになる分け方が多いのですが、どうしても子どもを育てている間は騒音問題が生じやすくなります。
両親の足腰がまだ丈夫であれば、返って階段の上り下りが運動になり鍛えられるとも言われていますので、親世帯が上階からの騒音に敏感になるようでしたら、敢えて子世帯を1階にするのも良いかもしれません。
左右連棟型で中央に中庭を置く設計では、それぞれの中庭の面に大きな開口(窓)を設置することで、それぞれの家の採光環境も良くなります。
子どもがまだ幼いうちは、外からのプライバシーを守りながら思う存分子どもが遊ぶことができるうえ、それぞれの世帯から子どもを見守ることができるのもメリットです。
典型的な上下分離型の二世帯住宅
沖縄二世帯住宅の家で典型的な分け方は上下分離型です。内階段があるなしはさまざまですが、縦割りではなく横割りにすることで、広いリビングなどのスペースを取ることができる点はメリットです。
【 沖縄の家づくり☆上下分離型の二世帯住宅 】
● 上下階それぞれに洗面室やバスルームを置く二世帯住宅の基本として、水回りは上下同じ位置で揃えてください。水の流れる音などがありますので、場所が違うと騒音に繋がります。
→ 典型的な沖縄二世帯住宅の家では1階フロアが親世帯の住居スペースになりますが、親世帯は、夫婦2人のDINKS家庭なのでキッチンやリビングダイニングはコンパクトにまとめ、その分、気軽に横になることができる和室スペースを多く取ると暮らしやすいです。
反対に子育てまっただなかの子世帯では、家族が集まるリビングダイニングキッチンスペースを広く取り、解放的なスペースにします。
水回りと同じように、親世帯・子世帯(夫婦)の寝室も揃えておくと、それぞれの生活時間帯がずれてもさほど騒音トラブルが起きません。
特に子ども部屋は階下の部屋を確認し、寝室以外の仏間兼客間(和室)などの上に配置すると、親世帯も暮らしやすい家になりやすいです。
親が1人だけの二世帯住宅
親世帯が夫婦2人暮らしの場合は、完全分離型の二世帯住宅でも問題はないのですが、親世帯がひとり身になった時には、もう少し距離感を縮める設計が増えてきます。
ですからひとり身の親が高齢になった頃に建てる沖縄二世帯住宅の家では、一部共有型で分ける設計が多い傾向です。
【 沖縄の家づくり☆一部共有型の二世帯住宅 】
● ひとり身の親が高齢になった時の一部共有型でも、1階フロアを親が利用、2階フロアは子ども世帯で利用しながら、1階部分に共有するバスルーム・サニタリースペースを設ける間取りが多くなります。
→ 1階・2階それぞれにトイレは設け、1階フロアの一部分に親世帯のスペースを置きます。親世帯のスペースにはミニキッチンなども設けながらも、縁側につながる広い開口(窓)がおすすめです。
親の居住スペースが縁側につながるゾーニング(※)は、介護が必要になった時にもベッドなどの出し入れがしやすい設計です。共有スペースとなるバスルームやサニタリースペースも、親の居住スペースの近くに置くことで、足腰が弱った時にも暮らしやすくなります。
また、親が居住する1階フロアは、将来的な介護の可能性も見据えて、緩やかでもバリアフリー住宅を目指すとより安心です。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄二世帯住宅の家で、それぞれの親世帯・子世帯の距離感に合わせた居住スペースの分け方と、分ける際の騒音トラブルなどを避けるためのポイントについてお伝えしました。
二世帯住宅になると親世帯は突然の転倒などの事故や将来的な介護の可能性、子世帯は子育ての手伝いなどで協力し合うことができて心強いのではないでしょうか。
けれども、今の沖縄二世帯住宅の家でメインとなる完全分離型になると、プライバシーは完全に保たれるものの、日ごろから意識して関係性を築いておかなければ、意外にもマンションのお隣さん同士がそうであるように、全くお互いの状況が分からないことにもなり兼ねません。
特に左右分離型の沖縄二世帯住宅の家で、本文中でお伝えしたような中庭などもない設計であれば、「スープの冷めない距離」とも言われるように、時々はお裾分けをし合いながらお互いの家庭の様子を窺うことも意識してみてはいかがでしょうか。
まとめ
二世帯住宅の分け方とアイデア
・同居型、一部共有型、完全分離型の3つの分け方がある
・一部共有型では水回りを共有してコストを抑える
・ひとり身の親の場合は一部共有型が様子を見やすい
・一部共有型の親スペースは縁側と水回りを近くに配置する
・完全分離型には上下分離型と左右連棟型がある
・上下分離型は上階からの騒音に注意をする
・上下分離型では水回りと寝室は上下揃えると騒音になりにくい
・親世帯はリビングダイニングをコンパクトにして和室を広げる