共働き家庭が多い現代の沖縄の家づくりでは、毎日の家事が楽になる間取りの優先順位が高いですよね。実際に時短家事になる間取りは存在します。
沖縄の家でも建売住宅や分譲マンションでは、自由な設計が望みにくいため、それぞれの家庭に合わせた時短家事の間取りは難しかもしれませんが、注文住宅の沖縄の家であれば、夫婦共々料理好きな家族など、それぞれの家族に合わせた快適なキッチンも可能です。
キッチンを中心としたそれぞれの家族に合わせた快適な間取りは、家事を主に行う家族が笑顔になり、自然と家族全体の空気が明るくなります。
今回は、沖縄の家づくりでも優先順位が高い傾向にあるキッチン&ダイニングスペースについて、人気の高いキッチンスタイル、それぞれのメリットデメリットをお伝えします。キッチンスタイル選びの参考にしてください。
【沖縄の家づくり】キッチンの種類☆
それぞれのメリットデメリット
全国的に人気が高いオープンキッチン
全国的にも沖縄の家でもオープンキッチンが今主流ですよね。リビングダイニングとセットになり、家族との団らんを楽しみながら家事が両立するオープンキッチンは、主に炊事を担うことの多いお母さんにとって強い味方です。
小学生の子どもがいる家庭では、オープンキッチンにカウンターを設けることで、子ども達にカウンターで宿題をしてもらいながら、自分は食事を作りつつ、子ども達の宿題をチェックすることができます。
ただ、沖縄の家で主流となっているオープンキッチンもメリットデメリットはありますので、最初に理解して決めてください。
【 沖縄の家づくり☆オープンキッチン 】
〇 メリット → 家族の様子を見ながら、会話をしながら料理や炊事ができます。ダイニング・リビングからひと続きになっているので、同じ空間で団らんを楽しんでください。
● デメリット → ダイニング・リビングとひと続きになっているため、料理の匂いや煙などがダイニング・リビングまで充満しやすいです。強力な換気扇や通風環境を充分に整えるなど、相応の換気対策が必要です。
特に最近の沖縄の家では、気密性の高い住宅が増えてきましたので、室内に料理中の煙や熱気が広がりやすくなります。
気密性の高い沖縄の家は冷暖房は効きますが、料理をしている間など、定期的な換気によって、こもった熱や臭いを流す必要があるかもしれません。
お客様の多い家庭にクローズドキッチン
頻繁にお客様が来る家庭に人気が高いキッチンが、クローズドキッチンです。海外では多いクローズドキッチンですが、日本ではあまり多く見掛けないですよね。
クローズドキッチンはダイニング・リビングとはハッキリと壁で仕切ったキッチン(クローズド)を差し、キッチンがあまり片付いていなくても、お客様の視界に入りにくい点がメリットです。
沖縄の家では、充分な配膳スペースを確保できる、コの字型のクローズドキッチンが人気です。
【 沖縄の家づくり☆クローズドキッチン 】
〇 メリット → 完全に区切られたキッチンスペースなので、片付いていなくてもお客様の視界に入りにくく、料理の匂いや熱、煙などもダイニング・リビングまで響きません。
● デメリット → 壁で完全に区切ったクローズドキッチンは、料理中は家族やお客様とのコミュニケーションが難しいです。
コの字型クローズドキッチンの場合は、料理で必ず使うコンロとシンク、冷蔵庫の3箇所をつないだ「トライアングル」ラインが、3.6m前後だと快適に料理ができると言われています。
3.6m以上になってくると、長ければ長いほど時短家事ができませんし、反対に3.6mより短くなると配膳スペースを充分に取ることができないためにストレスになるためです。
現代の沖縄の家では、家族やお客様とコミュニケーションを取りながらスマートに料理を作るオープンキッチンが人気ですが、「料理中は集中したい!」と言う方もいますので、このような要望であればクローズドキッチンが適切です。
家族で料理を作るなら、アイランドキッチン
ファミリー層の沖縄の家ではアイランドキッチンも人気があります。全国的には頻繁にホームパーティを開く人々の家庭で人気が高い傾向ですが、沖縄の家では特に子ども達がお手伝いをしやすい環境として、アイランドキッチンを好む人が多いです。
平屋でダイニングリビングの中心的な存在としてアイランドキッチンを配置し、アイランドキッチンとダイニングテーブルをつなげるようなコーディネートのイメージがあります。
【 沖縄の家づくり☆アイランドキッチン 】
〇 メリット → キッチンからコンロなどを完全に分けて、「アイランド(島)」のように離したアイランドキッチンでは、四方から自由に利用できるため、家族で料理をしたり、料理を教えるのに便利です。
● デメリット → 全く切り離すために広いダイニングスペースが不可欠です。アイランドキッチンメインのダイニングルームになるので、日々こぎれいにしていないと、一気に汚い印象にもなりがちなので、注意をしてください。
また、壁に面したオープンキッチンやクローズドキッチンを備えた沖縄の家とは違い、アイランドキッチンは油や料理の汚れがどこまでも飛び散ってしまうので、掃除は大変です。
【 沖縄の家づくり☆アイランドキッチンの注意点 】
● アイランドキッチンの上部に備える換気システムは強力なものを選んでください。
→ また、日ごろは油や汚れハネ対策のキッチンパネルを用意して調理をすることで、ベトベトした汚れをパネルで阻止できます。
沖縄の自然志向の家では、アイランドキッチンの備えたダイニングスペースまるごと土間にした、土間ダイニングも人気です。
子ども達はマンゴーなどを小さなナイフで気軽に皮を剥いたり、漁師の沖縄のお家や漁師町では、このようなアイランドキッチンで魚のさばき方を子ども達に教えたいとする希望も見受けられます。
狭いスペースならセミオープンキッチン
土地価格が比較的高めなエリアも多い沖縄の家では、那覇市都心部を中心にして狭小住宅も少なくありません。縦長の土地などもありますが、このような沖縄の家ではセミオープンキッチンが多く採用されています。
【 沖縄の家☆セミオープンキッチン 】
☆ セミオープンキッチンは、クローズドキッチンとオープンキッチンの中間的な存在です。キッチンからは家族の様子を窺うことができ、お客様からはキッチンの細部まで見えない、それぞれの良いところ取りをしています。
〇 メリット → キッチンやカウンターの高さや間取りによって、自由にオープンにもクローズドにも寄せることができ、I型キッチンであればコストも割安です。
● デメリット → オープンキッチンと同じく、調理中の煙や臭いが部屋に流れて充満しやすいので、強力な換気扇が必要になります。
沖縄の家に多いセミオープンキッチンの間取りは、キッチンの裏側が通路になっていて、ダイニングと奥のスペース(多くはサニタリールームなど)を繋ぐエリアにあるようなキッチンです。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の家づくりで優先順位の高いキッチンについて、いくつかのスタイルとそれぞれのメリット・デメリットをお伝えしました。
この他、最近ではオープンキッチンのカテゴリーのなかで「サンクンキッチン」も人気です。
サンクンキッチンはキッチンエリアが少し下がっているオープンキッチンスタイルで、キッチンを下げることによってリビングでくつろぐ家族と、キッチンで料理をする家族との目線が合い、よりお互いの顔を見ながらのコミュニケーションが可能です。
沖縄の家でサンクンキッチンを備えた例では、対面のカウンターが掘りごたつのようになっていて、和式で座りながらの作業ができます。
また、サンクンキッチンでは下がった部分が隠れるので、オープンキッチンでありながらお客様に見せたくない部分は隠すことができる点もメリットです。
このようなそれぞれのメリットデメリットを比較検討しながら、自分の家庭により合ったスタイルのキッチンを選んで、快適な沖縄の家プランニングを進めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
キッチンスタイルとメリットデメリット
● オープンキッチン
・家族の存在を感じながら炊事ができる
・料理の匂いや煙が家に充満しやすい
● クローズドキッチン
・キッチンの散らかりを隠すことができる
・家族とのコミュニケーションは取りにくい
● アイランドキッチン
・複数の人が料理をするのに便利
・油ハネや汚れが飛び散りやすい
(強力な換気システムが必要)
● セミオープンキッチン
・オープン・クローズドキッチンの良いとこ取り
・煙や臭いが部屋中に充満しやすい
● サンクンキッチン
・座っている家族と目線を合わせたコミュニケーション
・コストが掛かりやすい