昔ながらの沖縄の家では、シャワーブースのみのバスルームで、バスタブがあっても機材などを洗うためだけにあるような、小さなバスタブのバスルームが多くありました。
けれども現代の沖縄では、家に大きなバスタブがあるばかりか、スチームサウナ機能を持たせた新築住宅も増えています。
毎日お風呂でしっかりと汗をかく習慣を持つ人々も増え、バスルームにいる時間が長くなるに連れ、現代の沖縄の家でも解放感が溢れるバスルーム・サニタリールームの優先度が高くなりました。
また、バスルームばかりではなく、トイレや洗面台のようなサニタリーは毎日使いますし、洗濯など水回りは配置によって時短家事にも繋がります。
今回は、沖縄の家のなかでも、毎日使うバスルームやトイレ、洗面所などサニタリールームについて、いくつかの種類やおすすめのスタイル、アイデアなどをお伝えします。
住んでから不便だったと後悔しないポイントなどもお伝えしていますので、どうぞ参考にしてください。
【沖縄の家づくり】
毎日使う清潔感のあるサニタリールーム
中庭テラスが見えるバスルーム
最近の沖縄の家では、小さくても中庭を設けたプランニングが人気です。中庭を設けることで自然光を取り入れながらも通行人など、外部からの目線を避けることができます。
また、まだ幼い子どもを持つ家庭では、安心して子どもを遊ばせるスペースにもなり、サンルームにすることで、雨の日にも遊ばせることが可能です。
【 沖縄の家づくり☆景色を楽しむバスルーム 】
● このような中庭テラスを設けた沖縄の家では、中庭テラスに面したバスルームプランは人気があります。
→ 中庭がない沖縄の家では、バスルームに大きな開口(窓)を設けながら、背の高い囲いでプライバシーを守るプランが人気です。屋根にも窓を設けて、上からの採光も取り入れます。
なかには、プライバシーを守りながら外まで解放感が続くバスルームを作るために、2階にバスルームをゾーニング(※)する例もありました。
この他、洋風の沖縄の家では、バスルームとは別に屋上や庭先にジャグジーを設けて、水着を着ながら楽しむ設計もあります。
(※)ゾーニング → 沖縄の家プランニングの最初の一歩として、大まかにリビングダイニングやバスルームなど、どこに何のスペースを取るのかを決める作業です。
詳しくは別記事「【沖縄の注文住宅】ゾーニングってなに?家づくりの最初の一歩」でお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください。
バスルーム+シャワールーム
沖縄の家のなかでも親戚など頻繁に泊まり客が訪れる家庭や大家族などの家庭では、複数のバスルームを設置するプランが人気です。
ただ、上下階にバスルームを設けるとなるとコストが掛かりますので、1階にはバスルーム、2階にはシャワールームを設ける沖縄の家が多い傾向にあります。
【 沖縄の家づくり☆シャワールームを付ける 】
● 泊まり客が頻繁い訪れる家庭では、ゲストルームを用意する沖縄の家も多いですが、そのゲストルームの奥にシャワールームがあると便利です。
→ また、サーファーやダイバーなど、マリンスポーツを好む沖縄の方の家では、庭から直接アクセスできるよう、勝手口からすぐのところにシャワールームを設ける設計が多く見受けられます。
勝手口からすぐの場所にシャワールームを設ける沖縄の家では、その対面や勝手口近くに海の道具を立て掛けられるようなウッドデッキや収納庫を設ける設計も多いです。
マリンスポーツ後に潮水を洗い流す目的のシャワールームであれば、道具も塩抜きできるよう、小さなバスタブもシャワールーム内に置いておくと良いかもしれません。
浴室と洗面所がワンルームのサニタリー
アメリカやヨーロッパに多い洋風スタイルを好む沖縄の家では、浴室と洗面脱衣所がワンルームになったサニタリールームも好評です。
床をタイル張りにしてフラットに揃え、バスタブと洗面脱衣所との間には擦りガラスなどの敷居を設けて半仕切りに区切ります。
【 沖縄の家づくり☆ワンルームサニタリー 】
● ワンルームサニタリーのメリットは、バスルームから洗面脱衣所まで一体化するために狭い敷地内でも広いバスルーム空間を確保することができて、解放感が生まれる点です。
→ バスルームに浴室換気乾燥暖房機(※1)を設置することで、寒い冬の時期にも暖房を利用できるため、ヒートショック(※2)対策にもなります。
(※1)浴室換気乾燥暖房機は、浴室の温度や空調を調整できる機器で、換気機能とともに暖房機能も備えているものがほとんどです。乾燥機能も備えているため、浴室に洗濯物を干すこともできます。
(※2)ヒートショックは、温かいバスルームから突然寒い脱衣所に裸で移動することで、その温度差によって血圧が急激に変動する現象です。
血圧の急激な変化によって、心臓に大きな負担がかかり心筋梗塞になったり、失神や脳梗塞などの危険性もはらんでいます。
水回りは時短家事の要
バスルームや洗濯機を設置することも多い洗面所などの水回りは、時短家事を実現する間取りプランの大きな要です。
バスルーム自体の快適さも大切ですが、サニタリールームをプランニングするに当たり、時短家事への配慮は外すことはできません。
【 沖縄の家づくり☆時短家事と水回り 】
● 基本的に家事の時短を実現する水回りは、キッチン・バスルーム・洗面所(洗濯機)が近くに密集している間取りです。
→ さらにキッチンからバスルームまでが一直線で、炊事をしながら洗濯機などの様子が確認できるプランが、最も時短家事を実現すると言われています。
「あとどれくらいで洗濯が終わるかな…」「お風呂はどれくらいでたまるかな…」と、片隅でチェックしながら料理を進めることができることを想像すると、確かにキッチンから短い導線(※)で見やすい環境だと便利そうです。
(※)導線とは、家族が暮らすうえで移動する線を差し、生活導線や家事導線、通勤導線などさまざまな毎日の動きに合わせた導線があります。今回は、主に料理や洗濯など家の仕事をするための家事導線の視点です。
スリーインワンを選ぶなら
ホテルなどで多く見られる、バスタブとトイレ、洗面台がひとつの空間に収まった「スリーインワン」のサニタリールームは、狭いスペースを有効に利用することができます。
スリーインワンのサニタリールームは、メーカーが壁から設備まで一緒につないで、その分割安に販売したものもありますが、今の沖縄の家では壁からバスタブまでセットのスペースではなく、自分達でプランニングする例が増えてきました。
【 沖縄の家づくり☆スリーインワン 】
● スリーインワンのサニタリールームでは、トイレとバスルームまで一緒になっているため、朝の忙しい時間などになると、他の家族がトイレも洗面台も利用できず、トラブルになってしまいます。
→ そのためトイレや洗面台など、複数設置できる設備はできるだけ2つ設置しておくと安心です。
スリーインワンを備えた沖縄の家になると、家族がシャワーを浴びていたり洗面所で身だしなみを整えている横でトイレに入らなくてはなりません。
このような点から考えても、スリーインワンを備えた沖縄の家では2つのトイレや洗面台を設置しておくと安心です。
いかがでしたでしょうか、今回は毎日使う沖縄の家のトイレやバスルーム、洗面台などのサニタリールームについて、さまざまなサニタリースペースプランと、それぞれの特徴や設置する際のポイントなどをお伝えしました。
今、2階建ての沖縄の家では2か所にトイレを設ける家庭が定番になっていますが、トイレの扉にも配慮すべきポイントはあります。
もしも祖父母など高齢の家族がいるなど、不安点があればトイレの扉は内側に開けるタイプは避けておくと無難です。
一方で充分なスペースのない沖縄の家で、廊下部分が細くに設計された沖縄の家の場合、扉を開けた瞬間に家族とぶつかる危険性が出てきますので、返って内側に開く扉が良いかもしれません。
廊下も細めでぶつかりそうだけど、家族は高齢…、と思い悩む場合には、そもそも引き戸などのトイレ設計も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
清潔感と解放感を与えるサニタリールーム
・中庭や、高い囲いで守られたアウターバスルーム
・来客が多い家にはシャワールーム+サニタリールーム
・マリンスポーツ好きは勝手口から直接入るシャワールーム
・キッチンからバスルームまで一直線は時短家事が実現する
・スリーインワンを選ぶならもうひとつトイレを設置